伊豆大島の旅、日の出浜と岡田港

 帰りの船は島の北側にある岡田港から出るらしい。到着は島の真ん中に位置する元町港だった訳であるが、この両港、どのように使い分けているのであろうか。天候によって、でもなさそうであるし、詳しくは分からなかったが、帰りは違う港も見られると言う事でちょっと得した気分だ。

 宿の屋上テラスにあがると今日も晴れ渡った青空がどこまでも広がっている。 - この3日間、実に天気に恵まれた旅であった。

 宿の売店には1986年当時のであろうか、三原山噴火時の写真が飾ってあるのだが噴火の様子が凄まじい。

 10時発の宿の送迎バスで港まで送ってもらい10分ほどで岡田港に到着した。因みに「おかだ」港と思っていたが、どうやら正しくは「おかた」港のようであった。

 港に到着しても特にやる事もなく、ターミナル周辺の写真を撮り歩く。元町港の方がどうやらメインと言うか町に近いせいもあるのか、ちょっとばかし栄えている気もする。
 
 岡田港周辺にはお土産屋と食堂が数件あるだけで他、特に何もなさそうである。それにしてもずっと外に居るのは暑すぎて、少しばかり写真を撮り歩いてまたターミナル内へと戻る。

 ターミナルに戻ってきたはいいのだが、船の出港時間まであと1時間半もある。このままターミナル内に居ても退屈極まりなく、外にコーヒーでも飲みに出ようかなと思って歩き出すとターミナルの駐車場に車を停め、降りて来た家族連れは、まさに「さぁこれから海水浴に行くぞ」と言った風情で、子供は手に浮き輪を持っている。ここから歩いているという事は海水浴場が近いのかもしれない。

 果たして、彼等の行った先に行ってみるとターミナルから歩いてすぐの所に小さいが海水浴場があった。港の突端のようなところを境に左側は岩場のシュノーケリングを楽しむエリアで、右側が砂浜になっている。最初岩場の方に腰掛けてくるぶし辺りまで水に浸かり、ぼーっとしていると遠くに富士山が見えた。絶景である。

 地図で見てみるとどうやらここから先にうっすらと見える辺りが熱海辺りのようでもある。熱海のMOA美術館で初めて大島を見渡し、そしてここ大島から逆に熱海を見る、何とも嬉しい瞬間でもあった。

 砂浜の方に移動してみた。こちらは東京辺りで見かけるのと同様、黒い浜であった。大島には他にも海水浴場が幾つかあるのだが、他もみな同じような黒い浜なのであろうか。そういや熱海の海水浴場も元々は黒い浜だったようだが、イメージアップの為に千葉から白い砂を運んだという話を聞いた事があるので、やはりここいら一帯の海水浴場の砂浜は黒いのかもしれない。しかし、水はやはりとても綺麗であった。

 折角なので泳ぎたくもあったのだが、今回は三原山に全ての荷物を持って登る事になっていたので、極力荷物を減らす為、海水着は持ってこなかった。なので膝下まで水に浸かってそれなりに楽しんだのだが、そこに宿からバスで一緒だった母親と娘さん2人組も居た。娘さんは中学生くらいであろうか如何にもちょっぴり反抗期っぽい態度で母親と接しており、浜でも携帯のゲームに夢中になっているが、履いているスカートいうかズボンはお構い無しにずぶ濡れになって下半身は海に浸かっている。母親の方はラッシュガードを着て完全に泳いでおり、海水浴を楽しんでいるではないか。

 あんなにずぶ濡れになって、この後どうやって船に乗るのか、、と思っていたが(近くに無料のシャワーは一応あった。)、2人共帰りの船には乗ってこなかった。と言う事は2人は島にもう1泊するか、もっと遅い船便なのかもしれない。それにしても、今日の船は岡田港になったと知らさせたのは今朝であり、行き当たりばったりな感じでもあるのに、あんなにがっつり海を楽しんでいるとは、、どのような計画で島を巡っているのか不明であるが、その柔軟性?とでも言うべき行動に驚いた。


 遠くから我々を乗せる船がやって来た。帰りの船はピンク色である。帰りの船の中は行きと違ってガラガラであった。竹芝まで1時間45分、帰りはあっと言う間に到着。

 伊豆大島、色々と満喫でき、とてもいい島であった。機会があれば是非ともまた訪れたい。

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