8月15日長崎 〜 精霊船色々、ラッピング電車「クスノキ号」も見かけたり

 8月15日 長崎快晴

 朝から父系のお寺、そして午後は母系のお寺へ行ったりと何かとこの時期は忙しい。

 それでもやはり、この時期はお寺に行き祖父母や親戚の法要のため、お寺を巡るのも何となく清々しい気分にもなる。

 市内の町中にはこの日の夜行われる、精霊流しの船をあちらこちらで見かける事ができた。船は当然だけどほぼほぼ完成し、夕方からの出発に備えている。

 そして、町中ではカズオ・イシグロ原作の映画「遠い山なみの光」のポスターもよく見かけ、長崎では今、この映画の話題で持ちきりでもあった。

 この日の夜は甥っ子が、眼鏡橋の近くにあるお店に行きたいとの事で、夕方頃、家からすたすた歩いて眼鏡橋へ。途中、いくつかの精霊船とすれ違う。町中は既に爆竹の音で賑やかだ。

 因みに精霊船の先頭でラッパ状になっている箇所は「みよし」と呼ばれ、その先にある丸い部分で文字が書かれているものは「鏡(かがみ)」と呼ばれる。

 大きな「い」の文字は伊良林の「い」を現し、これは町内会のもやい船(共同船)だ。

 鏡はこれまでは赤地に白文字が多かったのだが、最近は白い鏡もちらほらと見かけるようになった。こういうのも流行りなんかがあるのだろうか。

 市役所前の道を少し入った辺りは休憩中の船も多く、その中の1つに長崎くんちの出し物の1つで元船町の唐人船を模ったもの(出し物の正式な呼び名は「唐船祭」のよう)も見掛ける。きっとおくんちに縁のあった方の船だろう。かなり精巧に造られていて、見た目にも美しい船だった。

 話は少し変わるが、今、長崎では80年前に被爆した楠の写真をラッピングした通称「クスノキ号」と呼ばれる路面電車が走っている。どこかで見かけたいと思っていたところ、丁度この市役所近くで見かける事ができた。

 「長崎から平和」を、という素晴らしいプロジェクトだと思う。

 食事を済ませた後、てくてくと歩いて県庁坂下へ。ここが一応メインの場所と言うか、ここに居ると通り過ぎる色んな船を見ることができる。が、いかんせん、通りゆく船のスピードもそれ程早くはないので、次々に、という訳にはいかないが、それでも大小様々、そして趣向を凝らした船を沢山見ることができた。

 花火や爆竹の派手な音と共に個人の御霊を乗せた沢山の船が西方浄土へと向かう、賑やかでもあるけど、やはり、ちょっと淋しい気持ちになるそんな長崎の8月15日の夜、でした。