金門島Day2
この日午後には金門島一の繁華街である金城に移動予定であるが、午前中は時間がある。
当初は2日目に迎賓館でも行こうかと思ってもいたのだが、昨日の内に行ってしまったのでちょっとばかり時間が余ってしまった。地図を見ると陽翟のちょっと北側に沙美という割と大きめの街があるのを発見!ここへ行ってみることにした。(因みに迎賓館の記事はこちら)
沙美は陽翟からの距離にして約2.5kmほどの距離だ。まずは朝、陽翟老街を散策した後、宿で朝食を取る。今回宿泊した宿は朝食付きだったのだが、提供されたお粥がとっても美味しかった。
Googleマップに表示されているバス停マークを試しに押してみると時刻表が表示され、沙美へは9時40分発のバスがあった。Googleマップにはこんな機能もあったのか。早速その時刻に合わせ陽翟バス停へ向かう。乗るのは昨日乗ったのと同じ18番のバスだが、昨日行った山外とは反対方面だ。
バス停で確認すると確かに沙美行きのバスはあるのだが時刻表らしきものを見ると9時40分発はなさそうで、暫くバスは来なさそうだ。Googleマップで表示されていた時刻は何だったんだろう。。?
とりあえず暫く待ってみたがやはりバスは来ず、ま、2kmちょっとなら歩いても行けるかな、と思い沙美方面へ歩き始める。
しかし、歩き始めてみると目の前に一直線の道が広がり、おまけに途中から歩道も狭くなっており、この炎天下の中、歩くのも。。。と思い始め、500m位歩いてやはりバス停に戻る。無駄に体力を消耗してしまった、、大人しくバス停で待っていればよかった。
バスはなかなか来ないが、他にこれといって行くところもない訳で、まぁその内来るだろう、くらいの気持ちで待っていると、一台の車がバス停近くに停まり、中から女性が降りて来た。
ありがたいことに英語で話しかけてくれ、彼女曰く「ここでバスを待ってるの?ここでバスを待っててもぜ〜んぜん、来ないわよ。沙美に行くんだったら送ってあげるので、さぁ乗って乗って」と申し出てくれた。
突然の申し出に最初状況が把握できなかったが、話している内に以下の事が分かった。
どうやら私が昨日入ったとある雑貨屋に彼女も居合わせており、お店の人とのやり取りで私が日本人だという事が分かったらしい。そして陽翟に来るような日本人は1年に1人とか居ればいい方でとても珍しく、その為私の事を覚えてくれていた、と言う訳だ。
ありがたい申し出に甘える事にし、彼女の車に乗り込み一路沙美へ。沙美のバスターミナルに到着後も彼女は車を降り、陽翟に戻るバス乗り場や時刻表の見方なんかも教えてくれ、颯爽と去っていった。私がこうやって色々なところへ沢山旅が出来るのは、地元の人たちにいつも助けられてこそなので、こうやって受けた恩は出来るだけ日本で出会った旅行者たちに返していきたいなぁと改めて思った。
因みに彼女は陶芸家で工房を陽翟に持っているらしく、「いつか工房にも遊びに来て」と申し出てくれたので、またいつか再会し、彼女が作った陶芸作品も見てみたいと思う。
バスターミナル内に観光案内所があったので、ひとまず地図を貰い、老街の場所を聞いてそちらを目指す。またまた老街巡りだ。
バスターミナル周辺はかなりローカル色が強く、全く観光地化されていない雰囲気で、そしてやはり台湾というよりも大陸の雰囲気を醸し出している。
因みにここの老街は金門島で最も古い街の1つであるらしく、古い街の様子が、沙美摩洛哥 ー つまり沙美モロッコと呼ばれ、モロッコの街並みを彷彿されているそうである。確かに街並みはちょっと砂漠を彷彿させる土色で彩られたところで、金門島の他の街とはちょっと違った様相を呈している。
また老街には細い路地が沢山あるため、街が迷路のようになっており、それ故ここがモロッコと呼ばれている理由の1つかもしれない。
細い路地を抜けていくと今風のカフェを発見し、しばし休憩。こういったお店があるのがありがたい。
休憩した後、散策再開。暫く歩くと市場を発見。市場の中は殆ど空っぽになっており、移転したのかこれから改築するのかほぼ廃墟のようなっていた。
そんな市場の片隅に賑わっているご飯屋さんを発見し、そこで昼食を取ることに。ここ沙美では餛飩加料(ワンタンのスープ)が有名らしく、私は「餛飩加料+麺」を注文。とっても美味でした。
2時間半ほど沙美老街を巡り、バスターミナルに戻ると途中、何だか立派な建物を発見。どうやら映画館のようである。それにしても、素敵な建物だなぁ。陽翟で見た東金電影院といい、この辺りの映画館はとってもセンスある造りである。
使われなくなって暫く経っているようでもあるが、このまま残しているのか、それとも内部をたまに一般公開しているのか。。取り敢えずこんな古い建物を残しているのはこれもまたやはり台湾らしく羨ましい限りである。
お昼過ぎに宿に戻り、荷物をピックアップ。オーナーさんに山外のバスターミナルまで送ってもらい、ローカルバスに乗り金城へ。金城へは20分ほどで到着した。
半年振りの金城の街だ。前回、模範街という通りを見た瞬間、「あ、この街は何だか好きだ」と感じたのと同様、やはりこの辺りの空気感というか街の感じがとても肌に合っていると思う。バスターミナルからそんな模範街を通り、前回泊まったのと同じ宿へ。宿の方達も私の事を覚えていてくれて、半年振りの訪問を歓迎してくれた。
部屋にチェックインし、少しだけ街歩きし、冷たい豆花をいただく。それにしてもやはりこの辺りの街並みは何故だかとても好きでたまらない。
早速この日の内にバイクを借りる事に。前回は免許なしで電気スクーターしか借りられず、なかなかスピードも出ない&バッテリーの持ちが悪かったので、今回は免許の中文翻訳(台湾では国際免許証でなく、この翻訳書類が必要)を用意してきていたので、ガソリンスクーターを借りる事ができた。
スクーターを借りるのは宿の人が手伝ってくれ、レンタバイク屋さんがわざわざ宿まで持って来てくれた。手続きは宿の裏手にある外の広場でちょっとした石造りの机の上で。こんな場所で手続きするのがやはり南国風というか、のんびりしていてよいですね。
前回、この宿のオーナーの息子さんが金門大橋の袂のところから撮影した夕日の写真を見せてくれ、それがとても綺麗だったのを覚えていたので、夕暮れ時、そこを目指して出掛けることに。宿からはそう遠くない距離だ。
前回は、島を北上し途中左折し大橋を渡ったので、今回はその交差点を過ぎ、適当なところで左折すると果たして写真で見せてくれたような場所に出た。夕日にも丁度いい時間だ。
暫くその辺りで写真を撮り、防波堤沿いに歩くと、若い人たちが沢山集まっている場所に出た。どうやらこの辺りがフォトスポットらしい。それにしてもここは特に(私が調べた限りでは)金門島の情報サイトなんかでは紹介されていなかったようにも思うのだが、みなさんどうやって情報を得ているのだろう。次々とバイクがやって来る。
取り敢えずここから見る夕景は素晴らしく、対岸の中国・廈門も海に浮かんでいるように見え美しいところであった。人はそれなりに多かったのだけど、何だか雰囲気がとっても良くってお気に入りのスポットになりました。
宿に戻ると息子さんがロビーの椅子に丁度座っており、私を見てちょっと驚いた顔をして挨拶してくれた後、奥のオーナーさんたちが使う部屋へと入り「日本人がどうのこうの」と言っているのが聞こえてきた。彼もまた私のことを覚えていてくれていたようだ。
部屋からオーナー夫妻が出て来て「丁度よかった。金門島名産の蚵仔麺線(オーアーミーシェン)(牡蠣が入ったとろみのあるソーメン)を作ったので、夕飯がまだなら食べて食べて」と勧めてくれた。美味しく麺線を頂いた後は、前回の旅の初日夜同様、高粱酒 でのおもてなし。