三原山登山、裏砂漠をゆく - 伊豆大島の旅

 伊豆大島Day2 - 絵に描いたような青い空の快晴である。この日は三原山登山の予定である。

 折角登るならと日程を決める段階でなるべく雨の少なさそうな夏の初めを選んだのだが、見事に晴れ渡ってくれた。コロナの影響の為か現在、三原山山頂口までのバスは1日1便 - 朝10時に港から出発するバスの為、逃す訳にはいかない。

 宿を朝9時にチェックアウトし港までの道すがらチェックしておいたスーパーでまずは食料と水分の買出しだ。

 水分としては前日からの残りの水300ml位を持参したサーモスの水筒に入れ、スーパーでは500mlの水1本とポカリスエット1本(500ml)を購入。なのでトータル1.3Lほど。わたし的にはこれ位で丁度よかった。あまり買い過ぎると荷物が重くなるというのもあるのでその辺りこれから登ろうという方は参考にしつつ調整してもいいかも。
 食料は、1口サイズのまんじゅう1個と1口サイズの梅羊羹1つ、あとは、いなり寿し(3個入り)を購入。こちらもあまり買い過ぎると荷物になるのでうまく調整していいかもしれない。わたし的には食料もこれ位で十分であった。

 港からは今日も遠くに利島が見渡せる。暑い1日になりそうだ。

 港からバスに揺られ、いい感じの森を抜け約30分程で三原山山頂口へ到着。

 既に少しばかり標高を上がっているらしく遠くに伊豆半島がくっきりと見渡せる。バスを降り、売店を過ぎ(結局、登山中見掛けたのはこのお店1軒だけだった)、展望所から早速三原山を拝むことができた。

 さぁまずは山頂の展望台目指して登山の始まりである。

 快調に歩き出したはいいのだが、途中写真を撮りつつと言う訳でなかなか先に進まない。

 バスで一緒だった方々はどんどん先を歩いて行く。私はこの日は三原山の麓 - 山を越えて反対側の麓 -にある大島温泉ホテルに宿を取っていたので、この旅に持参した荷物全てを持って歩く事になった為か、荷物がやや重い。極力減らしたつもりではあるが、着替えのTシャツやら下着やらを持って歩く事になるので、そういった細々としたものが結局は荷物になり、歩いている最初の方は良かったのだが、やはりどんどん重さを感じてくる。

 この大島温泉ホテルに2泊し、登山に必要な荷物だけ持って歩く事も考えたのだが、この宿、ちょっとばかしお値段がいいので2泊すると予算オーバーと言うのもあるのだが、今現在、(前述した通り)三原山までのバスが午前の1日1便しかない為、大島に到着後町中を観光してから午後に宿へバスで移動、と言う事ができないのである。

 そんな訳でバスで一緒だった乗客にはほぼ全員に置いてけぼりをくらってしまった。バスの乗客の大半は若者だったのだが、その中に60歳代位のご夫婦がいた。私もトロトロ歩いていたけど、このご夫婦も全然やって来ないので、バスを降りて展望所から山を眺めて後はまた折り返し港に戻ったと思っていたのだが、実はこのご夫婦ももしっかりと歩いており、遂には途中で追いつかれてしまった。

 暫く歩いていると登山道の脇に咲いていたユリの花をこの(ご夫婦の内の)男性の方が熱心に撮っていたのでそれをきっかけにちょっとばかし話すようになり、お互い抜きつ抜かれつ山頂を目指した。

 道は歩きやすく遊歩道のようになっていたのもあり、1時間程で山頂の展望台に到着した。バスで一緒だった方々は皆ここでUターンし又バス乗り場の方に降りていく。 - なるほど、みんな登山というよりも軽いトレッキング気分で山頂まで到達し、その後は町に戻って午後は午後で町中を観光したり海水浴などして楽しむのだろう。

 どうりでバスで一緒だった方々は皆一様に軽装であったのだが、これで合点が行った。殆どの人がサンダルだったし、中には短パンの人も居たりで荷物も少量で、私はバスの中でなんか軽いノリだなぁなんて思ったりしたのだが、そう言う事だったのか。

 ユリの花を撮っていた男性も山頂からUターンして先ほど降りたバス乗り場に戻るという。わたし的に三原山を登ると考えた時に山頂の展望所に到着後は、火口まで行き、その後は裏砂漠まで歩くというルートを思い描いていたのだが(みなそんな感じのルートを行くと思っていた)、が、どうやら殆どの人(と言うか私以外全員)は山頂の展望台がゴール地点であったようだ。

 なるほど、道も歩きやすい遊歩道であるし、展望台までは1時間程のルートであるので、それなりに三原山を堪能できるのかもしれない。しかし、火口は展望台よりも先にあるし、ここでUターンするのはやはりあまりにも勿体なくないか?!と思いつつ私1人、展望台を過ぎ、火口、そしてその先にある裏砂漠を目指すのであった。

 山頂近くでゴジラ岩なるものを発見。昨日のランチで訪れた寿し光さんの入り口にゴジラのオブジェがあったり、町中でゴジラカレーなるものが売られていたりでゴジラ押しなのは、この岩にあやかっての事だったのですね。

 そして、展望台からみなUターンするのに合わせているかのように、ここを過ぎると遊歩道がなくなり、ごつごつとした火山道とでも言うのか、少しばかり歩きにくい道になってくる。展望台から歩く事7,8分ほどで火口に到着。さすがの迫力である。ここいらで火口を眺めながら昼食(と言ってもいなり寿し3個ほど)を取る事にした。が、火口付近には休憩所というか、イスなど何もない。食事を取るなら展望台に至るまでに点在している休憩所の方がイスやテーブルがあり食事しやすそうであった。が、今更また降りていく訳にも行かず、ごつごつとした岩に腰を降ろし昼食を取る事となった。

 そして、火口付近には何故かアブラ蝉が大量発生している。-こんな木1本も生えていないとこに何故?と思いたくなる程大量に飛び回っている。もっと下界の方が過ごしやすいと思うのだが、ここいら辺りに居るのにもそれなりの理由があるのであろうか。

 特に攻撃的ではないのだが、私の事を大木と間違ってなのか、こちらにいきなり突っ込んでくるのには驚かされる。いなり寿しの最後の1個、残り半分というところで、こちに向かって飛んできた蝉に驚き、振り払おうとしたところ、いなり寿しが落ちてしまった。さすがに火口下までコロコロと落ちる事はなかったが、貴重な食料が・・・という思いであった。

 火口を少し過ぎたところで1人男性が私を追い越して行った。そこから少しばかり下りった所で3,4人のグループが昼食を取っており、ここから裏砂漠に至るまで出会った方々はこれだけ。あとは1人黙々と歩き、雄大な大自然の中、裏砂漠を目指した。

 登ってきた道とは一転、下りは溶岩が流れたところに今現在、草が再生しつつあるような何とも言えぬ自然の力を感じさせる風景であった。暫く歩くとまた海が見えてきた。道々にはロープの手すりがあり、これが道標になっており道に迷うと言った事はないのだが、最早、自分がどちらの方向を向いて歩いているのかよく分からない。調べてみると見えてきた海は千葉側の海であるようだ。登りは静岡側の海を望み、下りは千葉側の海の風景に移り変わり、この辺り改めて、大島からの眺めは多様に飛んでいる事を実感させられる。

 歩き始めて約3時間 - 超が付くほど快晴と言う事もあってか、大分疲れてきた。しかも、裏砂漠がどの辺りにあるのかよく分からない。標識にも出てきたり、出てこなかったり。まぁ砂漠という名前に従い、ちょっとコースを外れて草木が生えていないような方向を目指すと、「裏砂漠展望所→」というような標識が現れた。暫く標識が示す方向に歩いてみたが展望所がどこにあるのか判然としない。そもそもが回りに何もない風景である為、今自分が立っているところから十分展望できている。これ以上登る気力もなくなり、ここいら辺りが裏砂漠であろうと思う事にし、一休みすることにした。

 因みにこの裏砂漠、日本で唯一の砂漠である。

 周りに誰も居らず景色を独り占めだ。ふと思い立って、この溶岩が流れ出た大地に思い切り大の字で横たわってみたくなり、思い切って寝そべってみた。寝そべってみると大地はほんのりと暖かく ー それは当然溶岩の暖かさである筈もなく太陽の熱を含んだ台地の暖かさであるが、何だかそこに溶岩の存在を感じ、とてつもないパワーを感じた。と同時に一気に体力が回復してくるような気力が漲り、さぁ、もう一息で温泉ホテルだ、と立ち上がり更に私は歩き出した。

 大島温泉ホテルまでは2キロと標識が出ている。ここからは本当、無心で歩いていたよう気がする。再度、森のアーチ - ここでもアブラ蝉の鳴声で溢れるまさにアブラ蝉のアーチ(但し姿は見えず鳴声だけ)- を抜け、ようやく本日の宿に到着した。

 宿に入るとロビーに見知った顔が - 何と山頂付近でお会いしたあのユリの花を撮影していた老夫婦がロビーのイスに座っており(山頂口からバスでホテルまで来たらしい)、2人もこの宿に泊まるとの事で、まさかの再会となり、何だか不思議な気分であった。

 この滞在した宿(大島温泉ホテル)がとってもよく、次回、また大島を訪れる機会があったらこの宿でのんびりしつつちょっと散策がてら裏砂漠まで歩くとか、そんな感じでまた訪れたい宿でした。

 夜は、伊豆大島名物の椿を使用した椿フォンデュに舌鼓を打ちつつ、満足いく登山、そして宿でした。

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