金門島で浯島城隍文化季を堪能 〜 金門島の旅2025

 陽翟で知り合って沙美まで車で送ってくれた女性とは連絡先を交換し、その後、金門島に関する情報を色々送ってくれた。5月2日に金城のほぼ中心地にある浯島城隍廟で、夜にお祭りが行われるという。

 どんなお祭りか‥という詳しい情報はメールには記載されていなかったのだが、浯島城隍廟は泊まっている宿から歩いて直ぐのところなので、夜、食事をしがてら出掛けてみよう。

 この日(5月2日)は金城の町をぶらぶら歩いて散策したり、カフェ巡りをしたりし(その時のBlogはこちら)宿に戻ってのんびりしていると18時半頃に派手な音楽が外から聞こえ始めた。急いで窓を開けてみると、お祭りに奉納するような人々がお寺の方に歩いている。そう、宿の裏手にもお寺があり、そちらに向かっているようだ。

  カメラを手に取り急いで外へと飛び出す。

 お祭りの詳細は実際のところよく分からないのだが、翌日TVでNEWSを見ていると台湾の他の地域でも同じような感じのお祭りをやっていたので、金門島特有のお祭り、という訳ではなく台湾各地で行われていたお祭りのようだ。

 外に出てみると出番待ちしていた長身の神様、そして背が低い神様がいた。どちらも顔が黒くなかなかの迫力だ。

 その時奉納していた神輿は数人で担がれており、神輿の上にはバナナと焼いた鳥が載っている。これは神様への捧げ物であろう。驚いた事にこの神輿、前方にある筒から時折炎が勢いよく吹き出している事だ。誰かが操作している感じもしないし、自動で炎が出ているのであろうか。。なぞだ。

 ここでの奉納は終わり、一向は次のお寺に向かうようだ。前方には他の踊り子さんたちの集団もいて面白そうなので私も一緒に歩いて付いて行く事に。

 ノリのよい音楽に合わせて踊る派手な衣装を着た一団。前方に人形を付けているが、これは(人形の)若者?が歳取った人(つまりは自分)をおんぶし孝行しているように見せているようだ。

 その後ろに控えていたのは赤色と桃色の獅子2頭。この獅子たちがかわいくもあり、踊りもかなり一流で迫力ある舞を披露してくれた。

 ここでの奉納が終わると一団はまた次のお寺へ。とても楽しいのでまだまだ一緒に付いて行きたかったのだが、このままだと何処までも行ってしまいそうなので、途中で付いていくのを諦め、取り敢えずご飯を食べに金城の中心地へ戻ることに。

 しかし、結構歩いて、これまで来た事がなかったエリアまで来たけど、この辺りにも沢山ご飯屋さんなんかもあったりで、新発見でした。

 丁度食事をしたのが、最初に書いた(メイン会場の)浯島城隍廟の近くだったので、食後にそのまま廟へ。既に人だかりが出来ている。19時半頃に廟に着いたのだが、タイミングよく正にここでの奉納が始まるところであった。色々と巡回してきた一行が最終演舞をする場所という感じで否が応でも会場も盛り上がっている。

 まずは長い龍をイメージしたような出し物が登場。背中には子供達が乗れるようになっている。これに乗れる事がとても嬉しいのか、子供達の笑顔が印象的でこちらも幸せな気持ちになった。

 その後は勇壮な音楽と共に四川オペラが始まる。しかも人形を操るバージョンだ。いわゆる変面というやつで、音楽に合わせ次々と面が変わっている。人形を操って演舞しているという凄技で圧倒されてしまう。
      
 先ほど私が追っかけをやっていた派手な衣装を着た踊りの集団や長身と背が低めの神様たちもこちらに到着し、舞を披露。

 そして何と次は爆竹の派手な音と共に龍踊り(じゃおどり)が登場し驚いた。

 龍踊りとは長崎くんちの出し物で、そもそもは江戸時代に長崎の唐人屋敷に住んでいた中国人(恐らく福建の人たちと思われる)から教えて貰った奉納踊りであり、ここ金門島はほぼほぼ福建省でもあるので、長崎に伝えられた龍踊りの原型のようなものであろう。

 今まで龍踊りのようなものが中国のどこかで催されているのをTVとかでちらっと見た事があったけど、ここまで長崎のに近いのを見るのは初めてだ。それをここ金門島でルーツであろう本場の舞を見られた事に感動し、長崎との繋がりも感じられて不思議な気分になった。

 そして、太鼓の演舞の余韻に引き続き、赤色と桃色の獅子たちが登場。獅子たちがトリを務めるようだ。

 赤い獅子の演舞が終わると、会場には袋に入ったお菓子が投げ入れられ、皆(特に子供達)我先にと手を伸ばしている。先ほど龍踊りを見てからというもの頭の中が「おくんちモード」の私は、おくんちで奉納踊りの時に投げ入れられる手拭いとこの様子が重なり、もしかしたらあの手拭いを投げ入れるのもこんなところがルーツにあるのかもしれない・・・なんて思ったりした。

 最後は桃色獅子が蛇と戦い?見事勝利して演舞も全て終了。

 観客の人たちもみんなのんびりと楽しんでいる様子がこちらにも伝わってきて、いいお祭りだった。

 以前、鹿児島最南端の与論島に行った時も思いがけず地元のお祭りを見る事が出来たが、今回も明日は台北へ飛ぶというタイミング ー 金門島最終日のタイミング ー でこのお祭りを見られて良かった。

 すごく面白かったので、またいつか見る事ができたらな、と思う。