懐かしい友との再会、そして心優しきポリスメン - ソウル・韓国 2003

懐かしい友との再会、そして心優しきポリスメン - ソウル・韓国。

ソウルには結局のところ19泊もしてしまった。。
何故滞在がこんなにも長くなってしまったのかと言うと、ソウルでは北との国境線のパンムンジョム(板門店)のツアーに参加したりもしたのだが、うまく日程が合わずずるずると長居してしまい、、というのも理由の1つだが、何よりもソウルには私の大事な韓国人の友達が居たからだ。

-ソウルではインサドン(仁寺洞)と呼ばれる地域に滞在した。ここには骨董ギャリーなどが多く点在し、通りをぶらりと歩くだけで毎日楽しく、また宿からキョンボックン(景福宮)-朝鮮時代の正宮-まで歩いて行くことができ、ここには足をよく運び、ある日訪れた際には、廷内には宮廷音楽が流れ伝統衣装に身を纏った人々が旗や刀を振りながら、皇帝即位式典の記念セレモニーの練習を行ったりしており、そんな姿を日がな一日眺めて過ごしたりしていた。

またソウルの南には14世紀の李氏朝鮮時代に建てられた立派なナンデムン(南大門)があり、面白い事にこの門、現代では道路の真ん中に位置したロータリーになっており、ここを基点に車がぐるぐる回ってUターンしており、街の造りとしてはなかなか面白い。
しかし、残念な事にこのナンデムン、私が訪れた5年後の2008年に放火によりその姿の大部分を消失してしまった。-改めて調べてみたらこちら今は既に復元は終わっているよう。

さて、ソウルに長居した理由の1つの友との再会の話である。
ソウルには私の大事な友達のソンが居た-彼とは1997年、カナダのカムループスと言う小さな町で出会った。お互い同じ語学学校に通い同じクラスだったのである。どういう訳か我々は非常に気が合い、毎週末には町に1軒しかないPubに出掛けては一緒によくビールを飲み交わしたものだった。

 うまく再会できれば、ソンとは6年振りの再会になる予定だった。「いつかソウルで再会してたらふくビールを飲み歩こう」-そんな風に話してもう6年が経っていた。
当然ながら事前に彼にメールをしたのだが、返って来たアドレスが今まで知らないアドレス-この時彼は仕事で使っているアドレスから返信してきていた-しかも、文面が何故か全て文字化けしており、出発前の忙しさにかまけ、また現地で電話すれば大丈夫、と私もそのまま返信もせずソウルに着いてしまっていたのだが、それが失敗の元だった。

 ソウル到着後、昔教えてもらっていた番号に電話してみると、何とその番号はFaxの番号に切り替わっていた。そして何度掛けても当然ながら同じことであった。
仕方がないので、宿の近くのインフォメーションセンターに出向き、英語で教えてもらっていた彼の住所をハングルで書いてもらい、また住所に近い最寄駅を教えてもらって、自分で探す事に!

なかなか無謀である。

 最寄り駅までは地下鉄で到着出来たが、地上に上がってびっくり-もっと小さいエリアで、街角に出ている標識を辿っていけば簡単に探せるだろうと高を括っていたのだが、かなり規模の大きな町で、地上に出てすぐ皆目見当が付かなくなってしまった。

 取り敢えず歩いてみようと暫く歩いていると交番を発見。
きっと普段は外国人は訪れないような街にいきなり言葉の分からない日本人が現れ中に居た警察官-その時中には3,4人居た-は驚いただろうが、親切に対応してくれ、地図を広げて探してくれて、無事該当の住所を発見!
韓国語で行き方を説明してくれたが、さっぱり分からない。しばらく警察官みんなでワイワイガヤガヤと議論を重ね、最後は「カム、カム」と手招きして、何とパトカーに乗せてくれた。

 5分弱ほど車で走り、遂にソンの家族が住むであろうアパートを発見。そして、最後は警官の1人が私と一緒に車から降りてくれて、近所の人に聞き込みを開始。ソン達が住んでいるアパートの3階の部屋を特定してくれた
-アパートの階段を一緒に駆け上がり、ドアをどんどんどんと叩いたり、チャイムを鳴らしてくれ、中からはビックリした顔をしたソンの母親が出てきた。
警官が母親に何やら説明を始めー私が聞き取れたのはカナダ、日本という単語だけだった-で、どうやら状況が分かった母親は、その後満面の笑顔になり、「よく来たよく来てくれた」と言いながら家の中に私を招き入れてくれた。

暫くするとソンが仕事から帰ってきた。6年振りに会った彼は昔と何1つ変わっていなかった。
そして、もちろんソウルでその後、何度か再会し、たらふく一緒にビールをのむ事ができた。


 日本ではヘイトスピーチの事や韓国との歴史問題がよく報道されたりもするが、私が韓国を想う時、いつもソン達との出会い、そして親身になって私をソンのアパートに案内してくれた、あの警察官たちの事を想うのである。

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