三国志古戦場、赤壁までの道 - 赤壁・中国 2003

 - 湖北省・赤壁

 洛陽の次は武漢に向かった。-理由は特になくと言うか単純で、何か名前の響きがいいな、と言う位の気持ち(何と言っても武術の武に、おとこ(漢)なんだから)で、どんなところだろうと興味を持ち訪れて見たが、まぁ旅あるあるでもあるが、名前とは裏腹に訪れて見ると -やはりと言うかやっぱり、何処にでもある中国の地方都市の1つ-ただの町だった。

 しかし、ここに来たのにはもう1つ理由があり、それは今となっては何故知ったのかうまく思い出せないが、確かこの町の近くには、三国志で有名な”赤壁の戦い”の実際の場所となった”赤壁”があった筈だ。-それは誰かにそう聞いていたような気もするし、地図とかで見てそう思っていたのかもしれない。ともかく、名前の響きに惹かれ、そして、うまくいけば”赤壁”が見られるかもとの思いから、12月7日、わたしは洛陽から武漢行きの列車に乗り込んだ。

 赤壁は私のイメージでは雄大な長江が流れているところに壁があり、そこに”赤壁”と書かれているものだった(恐らく写真はネットか何かで以前見ていたと思う。)
 ひとまず武漢に到着したはいいものの、どうやったらそこに辿り着けるのか皆目見当も付かない。ぶらっと町を歩いていたら、旅行会社を見つけてたので中に入ってみた。-冬の時期で暇なのか、私の他に客はおらず、親切な兄ちゃんが筆談で対応してくれた。

 実に長い長い筆談のやり取りで、(お互い乱雑に書きなぐっているが)A4のノートに7ページにも!渡って筆談を繰り広げて、以下のような事が判明した。
 -赤壁まではツアーがあるらしいが、団体で16人集まらないとツアーは開催されないと言う事と、あとは、個人で赤壁市まで行って、長江沿いの壁のところまで行けるという事だった。そして武漢からは列車が1時間に1本出ているという事であった。
 何と、赤壁は壁があるだけでなく、町の名前にもなっていたのだ。

 翌朝、早速9時30分の列車に乗り込み(切符は当日購入し、無座-つまり自由席だった。)、1時間半ほどで赤壁駅へ到着した。そして到着と同時に雨が降り出してきた。

 赤壁の町なんて、きっと三国志好きで赤壁を見に来る観光客しか来ないような町だから、駅を出たら客引きが来て、それに付いて行けばいいーなんて楽天的に考えていたが、駅を出ても誰も近寄って来ない、そして、駅周辺にはお店はぽつんぽつんと4,5軒ほどしかない。ひとまず、駅を背に歩いてみたが、ここからどっちに向かったらいいかも分からないし、手掛かりになりそうなものは何もない。こーいう時は一旦リセット、というか、ひとまず駅に戻り、自分なりのTake2をやるしかないと思い、一旦駅に戻り、再度初めて訪れた風でまた駅から出て歩き始めよう、と思い駅に戻っていたら、1台のバンが止まり、何か話しかけてきた。

 が、当然何を言っているか皆目理解できず、私は再びノートを取り出し、川と壁の絵を書きそこに”長江と赤壁”の文字を書き込んだ。バンのドライバーはそれを見つめ、「対、対」(Yes,Yes)と言って赤壁の文字の後ろに「鎮」と言う字を書き込んでくれた。赤壁鎮というのが、「なるほど、壁の正式名称なのかぁ」などと思い込みバンに乗り込んだ。

 バンで走る事30分、赤壁市の中心地に到着した。-そこは思ったよりもずっと大きい町で、賑わっていた。ここで一旦バンを降ろされ、また何か説明してくれたが、さっぱり言っている事が分からず、取り敢えず言われた方角に歩いていたら、バスが沢山止まっていたので、「あ、ここで乗り換えか!」と合点し、そこに居たバスのドライバーにまた長江と赤壁の絵を見せながら質問したら、何やら中国語で説明してくれたが、相変わらずやっぱり分からない。。親切にもドライバーがバスから降りてきて、彼も図を書いて、真っ直ぐ行って曲がる、みたいな絵を書いて説明してくれた。言われた方角に歩くと、”赤壁鎮”と書かれたバスを発見! 後で分かった事だが、鎮とは日本で言うところの町とか村というような意味合いで、要は、赤壁鎮まで行けばいいと言う事であった。
 -そしてここは村全体が三国志のあの”赤壁の戦い”の舞台となっているようなところであった。

 赤壁鎮に近づくにつれ、その名の通り、走っている土地の土が赤茶けてきた。そーか、この辺りの土地は赤く、そして、その土で出来た壁なので、赤壁と言うのか、と今更ながらに気付いた。

 バスを降りると半野生の?豚がお出迎えしてくれて、その向こうには「三国古戦場赤壁」の文字が赤い幟にたなびいていた。

 ここに来るまで道中長い道のりでもあったけど、それ以上に長い長い地元民とのやり取りの数々でもあった。海外から来た中国語も分からないような変な?外国人の質問にも一つ一つ丁寧に対応してくれ、ようやくここまで辿り着けたと言う事に感謝しかない。

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