あなたの心は留守模様 ~ 「小村雪岱 スタイル」展

 東京都にある三井記念美術館で4月18日(日)まで開催中の「小村雪岱 スタイル」展へ赴いてきた。

 小村雪岱と言うとずっと前からファンだった、と言いたいところであるが、その実、知ったのは最近で、某美術TV番組で昨年の夏辺りに取り上げられていた際に初めて知ったという・・・感じなのであるが、実は泉鏡花氏ととっても縁が深い方だったり(因みに私は以前、金沢市にある「泉鏡花記念館」も訪れていた。それなのに!と言った感じもしないでもないのだが。因みにその時のBlogはこちら。)

 まぁ勿論、そんな泉鏡花氏とのつながりも然ることながら、番組で紹介されていた小村雪岱氏の絵画の中でも特に「留守模様」 - 人が描かれていないのに人の存在を感じさせると言うー そんなスタイルにはとても共感するものを感じる事ができた。

 昨今、私は街中でスナップ写真を撮ることが多いのだが、私も人から自分の写真を評される時、「人の存在を感じさせるような風景写真」みたいな言われ方もする事もあり(私の場合はがっつりと意図的に人物を構図の中に入れたりする事もあるのだが)、そんなこんなんで、勝手に共感を抱き(勿論その番組で見た雪岱氏の絵にもグッと来るものがあり)、いつか展覧会が開催されたら是非足を運びたいなぁと思っていた矢先、三井記念美術館での開催となり、今回足を運んできた。

 今回、三井記念美術館へは初来館。東京駅から歩いて10分弱ほどの距離。

 世の中コロナ騒動になってからと言うものすっかり新宿や渋谷には行かなくなり、その分、東京駅周辺にある美術館に足を運ぶようになったりと自分の行動範囲にも変化が出てきた。

 ぶらっと散歩がてら歩いていると日銀があった。こちらの建物上空から撮影したら所謂”円”という形になっているという建物であるが、なるほど、ここにあったのかとこちらも初お目見え。

 この辺りの建物は昔からずっとそうなんであろうか、やたらと質実剛健的な石造りの建物が多い。一見ヨーロッパを思わせるような気もするけど、なんだかとってもヨーロッパ、というものをあまり感じない。何が違うのだろうかと暫し考えながら歩いていると、美術館の裏手に回ってしまったようで、入り口が分からず、近くに居た警備員さんに尋ねたら、「こちら裏口でここからは入れないので、ぐるっと回ってください」と言われ、メインの入り口へ。

 1回の入り口で予約した旨のメールを提示して、その後ぐーんと一気に7階まで。どうやら美術館は7階にあるようだ。見た目もあまり美術館を感じさせない何だか不思議な造り。

 Ticketを購入して入って直ぐのエリアのみ撮影可能だったので、ここのエリアだけちょっとだけ撮影 - ここには早速泉鏡花氏の装幀の本が飾ってあり、今居る(美術館がある)場所とリンクしての日本橋の図柄、そして、今回のメインビジュアルにもなっている三味線と鼓がぽつんと置かれた絵画。確かにこれぞ留守模様と言うか、人は描かれていないけれど人の存在をぐっと感じさせてくれる1枚。

 訪れたのは平日ではあったけど、それなりに人も来ていて、根強い雪岱人気なるものを感じさせてくれました。沢山の装幀本、肉筆画、そして木版画など楽しめましたが、その中でも描き込みが素晴らしかったのは舞台装置画 - 小さな紙に本当に事細かに描かれており、こちらは一見の価値ありでした。

 帰りは東京駅までの無料バスがあり、こちらを利用。こちらのバス、東京駅周辺を無料で循環して走っているようですが、そんなバスがあったとは、と新たな発見。

 帰りついた頃には日も暮れて、そんな留守模様的1日、楽しんで来ました。

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