大祭へミス・ツェチェへ、ラマユル、リゾン、アルチも探訪 ~ ラダック・インド 2004

 2004年6月28日 へミス・ツェチェである。朝早くにレー市内のバススタンドからバスに乗り込みへミス・ゴンパへ。今年は何と言っても12年の1度の大祭 - チベットに仏教を広めた パドマサンバヴァの生まれ年(申年)で、12年に1度、彼のタンカがご開帳される - という事もあってか、寺院近くには既に多くの人達で賑わっている。勿論地元民のラダッキーが多く居るのは分かるが、思った以上に世界各国から来たと思われる観光客が居て驚いた。

 私なんて旅の途中、カトマンズでこの情報を得た時は「そもそもラダックって何処だ?」という状態だったのだが、私が思っている以上にラダックという場所は世界的にも知られているようだ。

 お祭りの開始と同時にその パドマサンバヴァのタンカのご開帳。12年に1度!という事でありがたい。思えばこのタイミングで旅をし、様々な人達の出会いの中でここを訪れる事ができたのも何かの縁であるに違いない。

 寺院の中心四方を黄色い規制線で取り囲むようにし、その中心地で仮面舞踊が披露されるようで、ラッキーな事にほぼ最前列の場所を確保する事ができた。

 様々な仮面や衣装を身に纏って舞う姿はほんと、みな何かが憑依したかのような迫力で、どれも見ていて楽しいものである。

 祭りの後半、フィナーレを迎える頃にパドマサンバヴァが登場(実際には僧侶が仮面を被っているのだが、これはもうパドマサンバヴァであろう)。さすがにこの時ばかりはみな我先にと最前列に押し寄せ、手を合わせ祈りながら、ぐいぐいと前へ前へと押し寄せてくる。

 敬虔豊かなチベットの人達らしい光景ではあったが、いかせん、後から後から人が押し寄せ、前方は規制線が敷かれているものであるから押される一方で、前にいる人達と後ろの人達で押し合いへし合いも始まり、あちらこちら凄い状況であった。しかし、あくまで我々は観光客であり、これは地元の人達のお祭りでもあるので、そこは譲り合ってという具合で、特にトラブルもなくへミス・ツェチェは無事終了。さすが、12年に1度の大祭であった。

 翌日は夕方頃、レー街中近くにあるシャンティー・ストゥーパへ。ここは階段を700段ほども登ったところにある見晴らしのよい丘にあり、さすがに標高3,000m以上の地で階段を700段も登ると息も切れ切れ、、最後もうひと踏ん張りというところ、既に頂上に達している地元の人達からの声援と応援の言葉で何とか登頂。

 そこには夕暮れに染まりゆくレーの大絶景が広がっていました。

 ラダック滞在後半、西の方にある3つのゴンパをJeepをチャーターし旅仲間と巡ってきた。カトマンズで出会ってここラダックで再会した友達と一緒に旅するのもこれが最後であろう。

 今回巡ってきたのはラマユル、リゾン、アルチの3つのゴンパである。

 ラマユルは、そこは月世界にあるような、と表現される通り赤茶けた荒涼とした大地は月や火星を想像させてくれました(勿論月や火星には行った事ないが、きっとこんな感じなんじゃないかな、と思わせてくれた)。

 リゾンは藤原新也氏の本の中にも出てくるゴンパであり、斜面に立つその様は壮観であり、昔、本の中で見た世界を実際に目の前にできた事もあり、感動もひとしお。ゴンパの中には小さな学校があり、子供たちが一生懸命勉強していて、簡単なチベット語なんかも教えてくれました。

 最後、アルチを訪れて3ゴンパ巡りは終了。

 アルチの寺院内に描かれていた曼荼羅はこれまで見た中でも1番良かったかも。ですが、中は撮影禁止だった為、残念ながら写真には残っていない。