そうだ、小樽へゆこう

 函館駅から特急列車、北斗に乗り札幌へ - 約4時間の旅だ。駅で弁当も買って準備万端。こちらの電車、進行方向に向かって左側の席だと山並みを楽しめ、右側の席だと海を眺められると言う列車だ。私は山並みを選択したが、時折海側に移動して写真も撮影したり。

 北海道は今回で3度目の旅だ。1回目は完全なるレンタカーでの旅、2回目は電車とレンタカーで回ったのだが、今回は完全なる電車旅 - そのせいかゆっくりと北海道の大自然を堪能でき、3回目の北海道にして何だかここ、北の大地に移住する人(実際に私の知り合いで2,3人移住した人が居るのだが)の気持ちが分かった気がした、そんな電車旅でした。

 翌朝 - 実は札幌は前回も訪れており、その時は芸術の森美術館やモエレ沼公園などを堪能したのだが、今回は特にノープランで、そもそもこの旅は秋田県立美術館から始まった旅でもあるし、最後もやはり美術館 - 芸術の森美術館 - にでも行こうと思い出掛けたのだが、宿を出ると目の前にどーんと北海道の写真が4枚貼られた観光アピールの看板があり、そこには、札幌の時計台、富良野、クラーク像の写真があり、残り1枚は小樽の美しい運河の写真があった。

 そう言えば、以前知人から小樽は札幌から3,40分で行く事ができ、札幌からだとお手軽に行けると言う話を思い出した。小樽は未踏の地である。
 地下鉄駅までの道すがら次回、北海道を訪れたら小樽へ行くのもいいな、なんて思いながら歩いていたが、そう考えるとまた北海道に来た際に札幌辺りに来なくてはいけなくなる。 - 次回は北の方に行くかもしれないし、はたまた道東に行くかもしれない。そうなった際にまた札幌まで立ち寄るのもなぁと思うと、そうだ、今回行ってしまえばいいのだ、と思い立ち、急遽行き先を小樽にする事にした。

 携帯で札幌 - 小樽の電車を調べると、ふらっと札幌駅まで行って電車に乗れる位沢山電車が走っているようだ。そんな訳で急遽、小樽に行く事にした。

 札幌発、小樽行きの電車はJR函館本線だった。どうやら昨日私が函館から乗ってきた電車にまた乗る、と言うような形になったようだ。電車は札幌駅を出て直ぐ、海沿いの道を走り出した。しかも、ほぼ海岸線上だ。 - 小樽と言う街は運河の印象が強いが、海沿いに発展した港町でもある。そんな事を今更ながら知り、しかも、札幌を出てから殆ど海岸線沿いを走っている。遠くには頂上に雪を抱いた山々も見える。あの雪山はどこの山だろうか、などと思っていると暫くすると雪山は見えなくなり、シャッターチャンスも逃してしまった。

 電車は40分程走り、無事、小樽駅に到着。

 小さな、無数のランプが飾られた印象的な駅だ。改札を抜けると遠くに海が見える。 - 函館の八幡坂のように美しい景観だ。駅から向こうになだらかに下っており、後ろには山が控えている。何だか熱海駅を思い出した。熱海駅からは残念ながら海は望めないのだが、海まで抜けていたらきっと似たような感じだろうな、なんて事を思ったりした。

 ひとまずここはやはり運河を目指す事としよう。駅前で街歩きの地図を貰い、運河を目指す。途中アーケードで休憩しつつ、レトロな町並を堪能しながら歩く。ディープな居酒屋やもう使われなくなった線路跡など駅から運河に至るまでの道中もなかなか見所はあるようだ。

 暫く歩くと大きな国道に出た。標識を見て思ったが余市もこの辺りのようだ。北海道に関して言えば地名は知っているがどこにあるのか知らない所が多いように思う。これからまだまだ旅しがいがある土地のようにも思う。因みにどうでもいい話だが、私はウィスキーは飲まないので、余市はこの先訪れる事はないかもしれない。

 無事、運河に到着 - 写真で何度も観た景色ではあるが、やはり美しい。雪の頃とか夜景とかになると更に美しいかもしれない。

 運河周辺には人力車の客引きの人達が居たり、屋形船で運河を巡っている人達もいるようだが、私はここはのんびりと運河を眺める事とし、運河沿いのベンチに座りぼーっとする事とした。旅をしていて素晴らしい景観に出会った時、このようにその景観を眺めながら何もしないと言うのが私の1番好きな時間の過ごし方かもしれない。

 ふと街灯に目を向けるとカモメも羽を休め、のんびりとしているようだ。

 運河沿いで暫く過ごした後、倉庫の裏側(海から荷揚げしていたとなるとやはり運河沿いが表側か?)に回りぶらぶらする事とした。ビアホールなんかもあったりする。雰囲気良さげだが、飲むには早過ぎる時間だ。次回、北海道来る事があったら小樽にでも泊まって、ビアホールで一杯、と言うのもいいような気もする。
 地ビールの小樽ビールもあるようだ。この小樽ビール、瓶ビールと言う事もあり今買うと荷物になりそうなので、帰り際に買う事とした。駅周辺にもきっと売っているだろう。

 それにしても、運河周辺を見終わったら、こう言っては何だが、やる事がなくなってしまった。 - もう少し先に歩くと港に出られるようなので取り敢えず今度は海沿いに行ってみるかと歩いていると、遠くに何と雪山が見える!もしかすると電車の中から見えていた雪山かもしれない。石狩湾を挟みその向こうに蜃気楼のように浮かぶ山脈 - あれはどこだろう。

 港近くに駐車場があり、そこの係りをしていたおっちゃんが居たので、雪山の事を尋ねてみるがどうも要領を得ない。プレハブのような建物の中から出てきてくれて、私が雪山の方を指差し、「あの辺りに見えるんですけどね」と説明するが、駐車場辺りからは港の工事中の現場と重なっている為か遠くがはっきりと見えない。
 2人でちょっとだけ歩くと目の前にまたどーんと山が現れたので、「あれです、あれ、雪山が見えますよね?」と私が言うと、おっちゃんは「あれま、ホントだ」とすっかり驚いた様子。 ん?こんなにはっきりと見えているのに普段全く気にしていないのか?と思いつつも、おっちゃんは「あれはきっと留萌の方の山じゃないかな」と言う。

 留萌!と言えば旭川から西へ行った辺りである。そんなところの山が見えているとは、やはり北海道は雄大な、と言う言葉だけでは片付けれられない、何だか凄さがある。「詳しくは観光案内所で教えてくれるから言ってみたら」とおっちゃんは案内所の場所を教えてくれた。何だかほっこりとさせてくれる人だった。丁重にお礼を述べて観光案内所に向かう事とした。

 雪山の正体はやはり留萌辺り - 実際には留萌よりちょっと南の暑寒別連山であった。暑寒別連山!初めて聞く名前だ。暑いのか寒いのかよく分からない名前だが(北海道にはアイヌ語からきた地名が殆どであるが)、この名前もきっとアイヌ語にあてた当て字であろう。観光案内所の人の話によると、駅の後ろの方に天狗山と呼ばれる山があり、そこからくっきりとこの暑寒別連山を望めると言う。天狗山まではバスで行き、そこからロープウェイを使って山頂付近まで行けるらしい。

 観光案内所の方もとても親切で、天狗山までのバスと時刻、そして停留所まで教えてくれた。人のやさしさが身に沁みる。そんな事を思いながらバスに乗り、一路、天狗山へ。 - 駅の裏側も熱海のようだが、熱海に比べると小樽の山道はなだらかだ。なだらかにそして広く広く山へと広がっていくような印象だ。バスは20分ほど走り天狗山に到着。函館山に続き、ここでもまたロープウェイの利用となった。

 山頂付近までのロープウェイは往復で1,400円だった。中には地元の方がお客さんとして1人だけ乗っており、駅や市街地、運河の場所なんかを説明してくれた。

 展望台に行くと遠くに見える山々の名前を説明したパノラマ写真付近にカラスが1羽いた。 - 人に慣れているのか全く逃げる気配がない。カラス越しに見る小樽の町並、そして遠くに暑寒別連山、小樽にこんなところがあったとは、正に絶景である。

 展望台の近くにカフェもあるようだ。夕方近くになると私はコーヒーのカフェインがダメなので、この日はジンジャーエールにした。残念だ。またここを訪れる事があれば、朝早くに訪れてこの景色を見ながらコーヒーを飲みたいものである。それにしても何度も言うようだが、小樽にこんなところがあったとは驚きである。 - 運河のイメージ強すぎるが本当、ここはおススメしたい場所である。

 天狗山で暫く過ごした後、またバスに乗り駅に向かう事にした。天狗山のおかげで、思いがけず充実した小樽観光となった。なだらかな坂を下って行くと遠くに海が見える。途中、地元の高校生達が沢山乗車してきたが、毎日こんな景色を見ながら登下校しているとはちょっぴり贅沢だな、なんて思う。

 
 駅に到着後、電車を調べると5分後に発車する電車があった。 - 1本やり過ごしてもまた電車は直ぐ来るのだが、札幌についてからご飯も食べなきゃなどと考え、5分後の電車に乗ることにした。ホームに到着すると電車が止まっていたので、それに飛び乗ると同時に電車が出発した。

 ぎりぎり乗れたようだ。安心して席に着いて思い出した! - そーだ小樽ビールを買っていなかった。。札幌に着いてから駅中で小樽ビールを探してみたが結局探せなかった。ちょっと心残りでもあるが、この電車に乗って正解であった。 - と言うのも札幌で訪れたスープカレーのお店、店内には2組ほど待っており、私もそれに続いて並んでいたのだが、私以降、訪れたお客さんはもう断わられていた。時短、と言う事もあるのだが、それを見越しての用意だったのかカレーがもうなくなったようである。

 小樽ビールは手にする事はできなかったが、スープカレーは食べることができたのでよしとしよう。

 秋田の稲庭うどんから始った東北の旅、最後は札幌のスープカレーで〆て、これにて東北、北海道の旅、無事終了です。

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