フレペの滝、オシンコシンの滝を巡る

 道東の旅3日目

  今日は曇りがち。というか、山の方は霧が発生していて少しばかり幻想的な雰囲気だ。

 今回泊まっている宿はロケーション的に沖縄最北端の島、伊平屋島で泊まった宿と似ている ー というのは宿の前には車道があり、その向こうはすぐ海、と言った感じのところだ。

 伊平屋島では海沿いにずっと防波堤が続き、朝や夕暮れ時にはその防波堤に腰を降ろし、海をぼーっと眺めたりしていたものだが、ここウトロの海沿いにはその防波堤はない。

 なぜ?と思ったのだが、どうやら熊避けの為らしいのではないだろうか。早朝、海沿いの道を散策。途中、熊避けの電流線を見つけた。そうか、ここが防波堤になっていると熊が入ってくるので、ここいらの海沿いは電流線を備え付けた柵になっているのかと納得。

 それにしても割と人が多そうなこんな場所、そして海の方からも熊が入ってくるのかと思うと北海道についてはまだまだ知らないことばかりだ。

 宿で朝食を済ませ、今日は宿から車で10分ほどのところにある知床自然センターへ。

 自然センターは小さな小屋なのかと勝手に想像していたが、かなり立派な建物で中には知床の観光案内、地図、熊の出没情報、そしてアウトドアショップがあったりとかなり充実している。

 スタッフの方に話を聞き、散策コースは3つほどあったが、1番短い「フレペの滝 遊歩道」を今日は巡ることにした。距離にして2km、往復40分のコースだ。因みにもう1つの「森づくりの道 シカ柵コース」は最近熊が滞留しているのが目撃されているため、封鎖されていた。

 という事で早速散策開始だ。片道20分といってもかなり霧深く、また知床五湖に比べると人が少ないので、なるべく熊鈴を鳴らし、時には手を叩きながら歩く。景色は幻想的であるが、ちょっとした緊張感がある。

 時折、滝から戻ってくる人とすれ違ったりもしながら(そんな時はやはりホッとする)、断崖絶壁の巨大な岩に到着。景色は2年前に見た礼文島の桃岩のようでもある。その巨大な岩の手前側に滝が流れ落ちる様が見え、かなり雄大な景色だ。展望所に居た人の話では、「今の時期だか今年は流れる水量が少ない」とのことだった。

 10分ほど経つと滝どころか巨大な岩も霧に包まれ殆ど見えなくなってしまった。

 この後はウトロの町に戻り昼食。4食丼を食べようと思ったのだが、この日はウニが取れなかったらしく、ウニの代わりにホタテ、あとはカニ・イクラ・サーモンの4食丼でした。

 食後はalbireoさんというカフェへ。昨日訪れたカフェAPUさんの向かい側にあるお店で、この辺りは他にもカフェがあったりで、カフェ密集地帯?のようである。

 ここで、ケイマフリというネーミングされたコーヒー(コーヒーの名前は他にもヒグマやモモンガなど、この地に縁がある名前を付けているようだ)を頂く。このケイマフリ、私は知らなかったのだが鳥の名前であるらしい。店主のご夫婦は関東から移住された方々で、斜里やウトロの話を沢山聞かせて頂き、のんびりとした時間も過ごせた。コーヒーもとっても美味しく、いいお店でした。

 この後はウトロの町中から10分ほどのところにあるオシンコシンの滝へ。国道沿いにある駐車場に車を停め、ちょっと歩けばオシンコシンの滝に到着。然程山の中でもないこんな所に、こんなに凄い滝があるのかと驚愕。

 流れ落ちる滝が間近に見られ、大迫力。上から流れ落ちる滝はホント、ずーっと見ていられ、いつまでも見ていても飽きることはなく、ここはかなりのお気に入りの滝になった。

 昨日は割と精力的に動いていたので今日はのんびりと過ごそう。という事で、この後は日帰り温泉に入ったり、宿に戻って部屋でのんびりと過ごす。

 そして、夕暮れ時 ー この日の夕景はまずまず。やはり霧のせいというか雲が多いせいだろか。昨日ほど空は赤く染まらず。

 それでもやはり、オホーツク海に沈む夕日は美しく、斜里、ウトロ、知床はとってもいいとこだったなぁ、と思いながら暮れ行く空を見つめている内に太陽はオホーツクの海へとどんどんと沈んでいった。