早稲田大学 国際文学館、通称村上春樹ライブラリーへ行ってみた

 先日、ようやく早稲田大学 国際文学館へ行く事ができた。
 
 - と言うのもこの文学館、入館には予約が必要なのだけど、2021年10月に開館して以来、予約サイトは開く度に毎回予約が埋まっており、暫くはそんな状態が続いていたので当面は行くのを諦めていた。そんな折、先日久し振りに予約サイトを覗いてみると、そろそろ入館者も落ち着いてきたのか予約も取りやすくなっていたのだ。訪れた際に学芸員の人とちょっと話をする機会があったのだけど、「最近は予約枠も1つ増えた」とおっしゃっていたので、その辺も予約が取りやすくなった要因の1つかもしれない。

 さて、久し振りの早稲田というか、高田馬場である。高校時代の大親友がこの地に住んでいた事もあり、何度か訪れた事のある早稲田周辺 - 今回は高田馬場駅から歩いて早稲田大学まで行ったのだけれど、この暑さのせいなのか、何なのか、こんなに距離あったっけ?と思う位、記憶よりも駅から遠く感じました。

 そんな私と逆行するように大量の中国人か台湾人の学生が駅へと向かっており、まさにそんな華人達の洪水の流れに逆らうように暫く歩くと、人通りもまばらになり見えてきました、早稲田大学キャンパス。

 大学の旧4号館をリノベーションした文学館 - 手掛けたのは隈研吾さんだ。隈さんと言えば、富山のガラス美術館や角川武蔵野ミュージアムなんかも以前訪れているが、いずれも本と関わりのある施設でもある。

 まずは昼食がてら地下1Fにあるカフェ”オレンジキャット”へと向かう。建物自体が段差を利用して建っている形なので、地下1Fと言えども、日差しも差し込む心地よい空間だ。

 ここではカレーを食べたかったのであるが、この日はカレーは残念ながらお休み。出来るのはタラコスパゲッティーのみという事で、選択の余地なくスパゲッティーを注文。コーヒーも付けて。それにしてもタラコスパゲッティーなんて食べるのは実に20年以上振りかもしれない(どうでもいい情報ですが)。

  この日、文学館を予約したのは15時25分~16時55分の1番最後の枠だ。入館までにはまだたっぷりと時間がある。嬉しい事にカフェ内にある本や雑誌は自席で自由に読む事ができる。ここでは隈研吾さんに因んでか建築関係の本、他には早稲田に関連した本、そして写真集や村上春樹氏を特集した雑誌などなど様々なジャンルの本があり、また、平日に訪れたという事もあったせいか、静かにのんびりと本と触れ合う時間が持てたのはよかった。

 そして、ここのコーヒーがとても美味しかった。

 さて、いよいよ入館時間になり、一旦カフェを出て1Fの入り口へ - 受付で予約番号を伝え入館者は入館証を渡されそれを首から掛けて館内を回る事となる。建物は2階建てだ。入ると先ずは村上春樹氏の初版本や世界各国の翻訳本が展示されており、”国による違い”の表紙を楽しむ事ができる。これまで文庫本しか目にしてなかった本の単行本も勿論あり、「なるほど~、単行本はこんな装丁だったのか」と楽しめる。

 中国版の装丁はホント何だか中国の水墨画のような雰囲気を思わせてくれるし、(多分スペイン語版だと思う)には、小さく村上春樹氏の写真が載っている装丁で、やはり翻訳本で人々に分かり易く伝える為に作者の写真が付いてる?のだろうと思わせてくれるものなどなど、様々な違いを楽しめた。勿論テーブルとイスも用意してあるので、ここでゆっくりと本も読む事ができるというなかなか贅沢な空間でもあった。

 1F部分には先ほどの地下にあるカフェへと続く階段もある。こちらは階段の両サイドに巨大な本棚もあり階段に座りながらここでも自由に本を読む事ができる。旅に関する本や写真集もあり、何だか駅の高架橋から下にある階段を眺めているような光景の中、みなそれぞれ思い思いに読書に勤しんでいたり。

 2Fへ - 2Fでは時期によって色々な展示が行われているようで、この日は「音/言葉を刻む、ジャズと文学」が催されていた。室内には時間区切りでジャズが流され(勿論レコードで)、ジャズに関する文学 - 筒井康隆氏や大江健三郎氏、そして五木寛之氏などの本が文章と共に展示され、これらもまた自由に手に取って読む事ができた。

 また、春樹氏が昔営んでいたジャズ喫茶 - ピーターキャット - で使われていたコースターやピーターキャット印入りのレコードジャケットや店内のスケッチ画なども展示され - なるほど、今までピーターキャットとはどんな内装のお店だったのかずっと知りたかったのだけど、この度、スケッチとは言えお目に掛かる事ができ、とてもよかった。

 ひとまずぐるっと館内を見て回り、1Fのオーディオルームへ。ここではとても”良質”なジャズを聴くことができる。セレクトは自分では出来ないが係りの人が常時、レコードでジャズを流してくれており、暫くこの部屋に居るだけでもいいかもしれない - そんな事を思わせてくれる部屋だ。この部屋には館内の本を持ち込んだりは出来ないのだけれど、自分の本なんかをここでゆっくりと読んだりするのもいいかもしれない。

 そんな訳で先に書いたガラス美術館や角川武蔵野ミュージアムに比べると規模はそれ程大きくありませんでしたが、質というか内容がとても充実していて、滞在時間の約2時間半はあっという間に過ぎてしまい、個人的には2時間半では足りなかったという感じ。なので、2Fの展示変えの季節の頃、また訪れてみよう。

 外に出るとまだまだ日は高く、昼間の暑さを残したままの気候だった。

 この日はこの後、約10年振りに再会する友達と会う予定で、なかなかいい1日になりそうだ。

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